2016-01-01から1年間の記事一覧

次回更新についてお知らせ

弘文堂編集部です。いつも本連載をお読みくださり、ありがとうございます。 諸般の事情により、10月28日(金)の更新を休載いたします。 次回(第7回)更新まで今しばらくお待ちくださいますよう、また、今後ともご愛読のほど何卒よろしくお願いいたします。

第6回 自然法は憲法典を超えて――田上穣治『自由権・自治権及び自然法』

一 著者について 1.自然法論者としての田上 今回取り上げる田上穣治『自由権・自治権及び自然法』(有斐閣、1946年。以下、「本書」と呼ぶ)は、奥付に記載された発行日こそ「昭和二十一年十二月十日」であるが、「序」には「昭和二十一年七月」との記載が…

第5回 裁判官のイデオロギー――長谷川正安『憲法判例の研究』

一 前提 1.解散権論争 前回の記事(「第4回 学問は『真実』を生命とする――一圓一億『法の解釈と適用』」)で述べたように、1950年代から60年代にかけて、「憲法解釈の方法」が憲法学界における重要な論点として浮上していた。そのきっかけが来栖三郎による…

第4回 学問は「真実」を生命とする――一圓一億『法の解釈と適用』

一 はじめに 1.法解釈論争 皆さんは、例えば「法学入門」のような授業において、法解釈とは何か、という話を聞いたことがあるだろう。そこでは例えば、法解釈には法創造的な側面が含まれていること、しかしそれは全くの自由であるわけではなく一定の限界を…

第3回 軍制学者の憲法史――藤田嗣雄『明治憲法論』

一 著者について 藤田嗣雄(1885-1967)という名前を聞いたことがある読者は、とりわけ学生の皆さんにはそう多くはないかもしれない。そこで、まず最初に、画家・藤田嗣治の兄でもある彼の生涯を振り返っておこう*1。 明治18(1885)年に東京に生まれた藤田…

第2回 北からの平和――深瀬忠一『恵庭裁判における平和憲法の弁証』

北からの平和――深瀬忠一『恵庭裁判における平和憲法の弁証』*1 一 はじめに 昨年〔=1962年〕12月、自衛隊島松演習場において大口径砲実弾射撃を阻止しようとして電話線を切断した牧場経営の二兄弟が、3月7日札幌地裁に起訴された。適用法規は自衛隊法121条…

『「憲法改正」の比較政治学』刊行のお知らせ

弘文堂編集部です。いつも本連載をお読みくださり、ありがとうございます。 このたび、西村裕一先生がご執筆を担当されております、『「憲法改正」の比較政治学』刊行が決定いたしました。 『「憲法改正」の比較政治学』駒村圭吾・待鳥聡史/編著 【内容紹介…

第1回 ある「戦中派」の戦い――佐藤功『君主制の研究』

はじめに 学部生や法科大学院生の皆さんが、戦後憲法学の「権威」と聞いて思い浮かべる名前は一体誰だろうか。やはり芦部信喜(1923-99)だろうか、あるいは樋口陽一(1934-)だろうか、はたまた佐藤幸治(1937-)であろうか。しかし、彼らよりも上の世代…

第0回 連載開始にあたって

「弘文堂のホームページでウェブ連載をしませんか?」 と言われたかどうかはよく覚えていないのだが、とにかく、弘文堂の若手敏腕編集者こと登健太郎さんからウェブ連載の執筆のお誘いを受けたのは、今から1年前の2015年4月のことであった。当時すでに話題と…

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